STORY
- あらすじ
- 1話〜10話
- 11話〜20話
- 21話〜最終話
現在でも過去でもない時代。舞台はスポーツや芸術・文化面で一芸に秀でた者のみが在籍を許される中国の総合大学CMFU(China Most Fantastic
University)。
武術、書画の達人である祖父のそばで育った風飄飄(フォン・ピャオピャオ)は、文系を専攻とするCMFU尚香学院の書画学科への入学を果たす。
早々に、ちょっとした誤解から、学院のプリンセス的存在“尚香淑女”とみなされ注目の的になってしまった。同じ頃、注目のニュースがもう一つ、キャンパスを席巻する。衛式太極拳の継承者にして学院の王子、クール系イケメンの学生会長、衛楚(ウェイ・チュー)が、怪我による1年半の休学から復学したのだ。
ある晩、敵対するグループの襲撃を受けたウェイ・チューは居合わせたピャオピャオに助けられる。彼女の太極拳の才能を見抜き、ウェイ・チューは彼女を自分の弟子とすることに。二人は師弟として衝突しつつ稽古に励み、敵対勢力の陰謀や様々なトラブルに巻き込まれながらも次第に魅かれ合っていく。
そして、「旧態依然とした伝統を打ち破り、太極拳の未来を築く」という夢を叶えるため、CMFU太極学科の白海洋(バイ・ハイヤン)、陳冰(チェン・ビン)、楊凝雪(ヤン・ニンシュエ)と流派を越えて手を組み、全国武道大会の優勝を目指すのだが…。
第1話「学生会長の帰還」
スポーツや文化・芸術に秀でた者が集まる大学、CMFU。風飄飄は入学試験に急ぐ途中、1人の男子学生と出会い、彼の書籍リストを拾う。無事に書画学科に合格し、リストに書かれていた古書を買い揃えて入学すると、たちまち「淑女」と見なされ、一躍注目の的に。ところが、入試トップの評価を受けた作品は、取り違えて提出した祖父の絵だったことを知って衝撃を受ける。同じ頃、学生会長・衛楚の復学の噂が学内を吹き荒れていた。
風飄飄(フォン・ピャオピャオ)
衛楚(ウェイ・チュー)
第2話「果たし状」
太極拳の使い手であることを隠せと祖父から命じられている風飄飄は、衛楚のもとへ。他言しないよう詰め寄ったところを報道部の艾佳に盗撮され、カップルだという噂が広まってしまう。太極学科を訪れた衛楚は主将の牌を返却し、戻る意思はないことを明言。一方、太極学科の廃止を目論む拳道学科の談臨は白海洋に果たし状を出し、試合に負けたほうが相手の部に5人転入させると約束させる。10名を割り込むと学科は廃止となるのだ……。
艾佳(アイ・ジア)
談臨(タン・リン)
白海洋(バイ・ハイヤン)
第3話「迫る捜索網」
拳道学科との試合で追い詰められた太極学科だったが、2大流派の後継者である陳冰と楊凝雪が参戦し、大逆転を果たす。落胆した談臨は、2人に謎の女拳士の存在を告げ、門外不出の太極拳の技が漏れたのではないかと捜索を促した。捜索を始めた陳冰と凝雪は、書画学科の展示会で風飄飄の祖父の絵に目を止め、作者に太極拳の心得があると確信、飄飄に疑いの目を向ける。それに気づいた衛楚は、ある作戦を飄飄に提案するのだが…。
陳冰(チェン・ビン)
楊凝雪(ヤン・ニンシュエ)
第4話「疑いの代償」
陳氷と楊凝雪は風飄飄の転び方を見て、武芸の心得はないと確信。一方、白海洋に毒を盛ったのが拳道学科の2名であることを防犯カメラの映像で確認した衛楚は、太極学科への嫌がらせをやめることを談臨に約束させた。衛楚が陳氷たちに「師兄」と呼ばれているのを偶然耳にし、衛楚が武芸者ではないかと疑った飄飄。試しに背後から蹴ったところ、衛楚は階段から転げ落ちてしまう。主治医のもとへ運ぶと、膝の骨折との診断が下るのだった。
第5話「奇跡の料理人」
風飄飄は、自分のせいで大ケガをした衛楚の身の回りの世話をさせられることに。初めての料理は大失敗、さらには掃除の最中に高価な骨董品を壊してしまう。多額の弁償代に頭を悩ませていると、衛楚が自分に師事すれば練習日数に応じて一定の金額を差し引くと告げる。どう考えても返済できないと考えた飄飄はその提案を受けることを決意。ただし、弟子入りには飄飄の祖父の許しが必要なため、2人は連れ立って家へ向うのだが……。
第6話「秘密の弟子入り」
倉庫で待ち構えていた談臨の手下たちを、あっという間に打ち負かした風飄飄は、衛楚を連れて家に帰り、祖父に紹介。衛楚が衛式太極拳の掌門であることを知った祖父は、飄飄に有無を言わさず弟子入りの話をまとめてしまう。祖父の立ち合いのもと、弟子入りの儀式が執り行われるが、衛楚はこの件を暫く内密にするよう約束させる。その晩、風家に泊まることになった衛楚に、祖父は飄飄の子供の頃の話を懐かしそうに語るのだった。
第7話「日本からの留学生」
風飄飄の作品が中日文化交流書画展に入選し、その会場で飄飄は、日本から来た留学生・月山旬と知り合う。書画の名家出身の月山は3ヶ月間、飄飄と同じクラスで学ぶことになる。一方、飄飄の師となった衛楚は自宅で、黒ずくめの武芸者の襲撃を受ける。応戦するも取り逃がしてしまうのだが、同様に白海洋の自宅も荒らされており、同一人物の仕業である可能性が高いと思われた。衛楚は、弟子となった飄飄の特訓計画を作成、修練が始まった。
月山旬(つきやま・しゅん)
第8話「二股疑惑」
祖父と違って基礎を厳しく仕込む衛楚の教えに風飄飄は反発するが、借金返済のため仕方なく修練に臨んでいた。そんなある日、艾佳に階段から突き落とされそうになったところを月山旬に助けられ、ひと悶着が。ますます艾佳と靳柔の恨みを買ってしまう。翌日、飄飄が衛楚と月山旬に二股をかけているというネットニュースが学内をざわつかせる。事情を知った衛楚が飄飄の宿舎へ向かうと月山旬と鉢合わせし……
靳柔(ジン・ロウ)
第9話「飄飄の反撃」
風飄飄は親友で同室の蕭笑、そして月山旬と祭りを楽しむ。春節休みも終わって授業が始まるが、飄飄へのいじめはやまない。ついには水泳の授業前に水着が紛失する事件が発生。艾佳の仕業と知った飄飄は艾佳をプールに突き落とすのだった。一方、陳氷らの調査で、八岐門とのつながりが浮上した談臨は黒覆面の人物と密会。飄飄の入試時の絵が本人の作品ではないという情報を得る。衛楚は、周りの人々に飄飄への気持ちを悟られはじめていた。
蕭笑(シャオ・シャオ)
八岐(バーチー)
第10話「暴かれた嘘」
入試で提出した絵について靳柔から問い詰められた風飄飄は、ついに真実を打ち明ける。生徒たちは除籍処分を迫るが、衛楚が助け舟を出し、2週間後の絵画展で絵を描いて実力を証明すれば在学が許されることに。月山旬と親しくする飄飄を見て動揺していた衛楚は、自分なりに優しさをアピールしようと絵の指導も開始する。一方、白海洋に懸命のアプローチを続ける蕭笑だったが、太極拳のことで頭がいっぱいだと拒絶されてしまう。
第11話「証明の時」
いよいよ絵画展開催の日がやって来た。絵の実演を行う風飄飄。順調に筆を運んでいくが、艾佳の仕掛けで突如テーブルの脚が折れ、描きかけの絵が墨汁で汚れてしまう。窮地に追い込まれた飄飄を救ったのは、衛楚の言葉であった。飄飄は平常心を取り戻し、見事な作品を完成させる。試練を突破し、飄飄は晴れて引き続き尚香学院に在籍できることになった。衛楚は飄飄への嫌がらせをやめさせるため、靳柔と艾佳に対してある策を仕掛ける。
第12話「心にいる人」
風飄飄は、帰国間近の月山旬から告白され、そのことによって自分が本当に好きなのは誰かに気づく。武術系の各科は、陳冰と楊凝雪が不当な勝負を仕掛けてきたことを理由に太極学科の廃止を要求。交渉の結果、3か月後に学内試合を開催することになった。太極学科が敗退した場合は学科廃止、優勝した場合は全国武道大会出場枠を獲得という条件だ。一方、飄飄は衛楚に手編みのマフラーをプレゼント。2人の距離は縮まっていくのだが……。
第13話「再起不能」
黒ずくめの武芸者に襲撃された衛楚は、経脈損傷の大ケガを。最悪の場合、二度と立てないという診断に衝撃を受け、風飄飄を遠ざける。ほどなくして衛楚は再起不能であるという噂が太極学科に広まると、衛楚による指導を楽しみにしていた生徒たちは失望して退科を申請。太極学科は再び廃止の危機に直面する。その頃、談臨は八岐門の門主らしき黒ずくめの武芸者から呼び出しを受ける。そこで手渡されたのは太極拳四大流派の奥義書だった。
第14話「弟子の献身」
衛楚の脚の治療には子午流注開穴法が有効だという陳医師の助言を得て、風飄飄は大学の図書館で医書を探し出した。そんな折、衛楚の祖母・衛敏が訪ねてくる。孫を世話する飄飄の姿を微笑ましく見ていた衛敏だったが、その後、孔教師から、飄飄が入学の際に誤って提出した絵を見せられて顔色を変える。飄飄の祖父が何者かを悟ったのだ。飄飄は開穴法にのっとったツボへの刺激に加え、祖父から教わった治療法も取り入れ、懸命に治療を続ける。
陳(チェン)
子午流注開穴(じごるちゅうかいけつ)法
衛敏(ウェイ・ミン))
第15話「祖母の猛反対」
風飄飄の献身的な介護のかいもあって衛楚は奇跡的な回復を見せ始めるが、飄飄に太極拳の指導をすることを祖母の衛敏から猛反対されてしまう。衛敏には、風並行にひどく傷つけられた過去があったのだ。飄飄を育てたい衛楚は、和解の機会を設け、風並行を衛敏に会わせるが失敗に終わる。それでも衛楚は指導をやめず、飄飄に夢を共に実現してほしいと言い、特訓に入る。そんな中、陳冰と楊凝雪が風並行と飄飄の関係に気づき…。
風並行(フォン・ビンシン)
第16話「掟破りの代償」
楊凝雪と陳冰は、風飄飄と衛楚の修練を目撃する。かつての風並行のように、飄飄が武芸を盗むために衛楚をだましていると勘違いした凝雪は、陳冰の制止も聞かず自分の一族に報告。楊家の長老は門弟を連れて風並行を取り囲み、過去の清算を迫る。駆けつけた飄飄が目にしたのは、自ら内功を廃して倒れる祖父の姿だった。怒った飄飄と楊一門は一触即発の状態に。そこへ衛楚が現れ、自分の婚約者である飄飄への更なる追及はやめるよう説得する。
第17話「一門会議」
一門会議で風家との関係について釈明するよう求められた衛楚は、風飄飄を連れて出席する。流派の垣根を取り払い、太極拳を発展させるための第一歩として飄飄を弟子にすると主張するが、長老たちは猛反対。そこで衛楚は、全国武道大会で飄飄が優勝すれば彼女を衛式の弟子として認めるように求め、負ければ自分が掌門の地位を退くという交換条件を提示する。衛楚と飄飄の婚約のニュースは大学中に伝わり、知らされていなかった蕭笑は飄飄に激怒し…。
蕭笑(シャオ・シャオ)
第18話「誕生日の光と影」
拝師式を控えて緊張する風飄飄に衛楚は儀式の意味を説く。正式に衛楚の弟子となり、太極学科と他学科との試合に向けて特訓を続ける飄飄。試合前日、差し入れを手に太極館を訪れた蕭笑を、太極学科の全員がサプライズで祝う。その日は彼女の誕生日だったのだ。その後、白海洋に食事に誘われた蕭笑は、海洋が席を外した隙に姿を消す。蕭笑がかよわい女の子という仮の姿を捨て去った瞬間だった。そして、試合当日を迎えるのだが……。
第19話「親友との対決」
試合当日、窮地に陥った太極学科を救ったのは風飄飄だった。次々と他学科の選手を倒していった時、敵陣から蕭笑が現れる。蕭笑こそが八岐門の門主であり、太極学科を潰そうと画策していた黒幕だった。蕭笑は押し気味に試合を進めるが、あと一歩のところで技が通用せず敗北する。試合から7か月後、門主の座を狙う談臨は叔父の王兆天を味方にして八岐門の本家へ。王兆天はかつて内乱を起こし、追放されていた危険人物だった。
王兆天(ワン・ジャオティエン)
第20話「怨恨の理由」
王兆天と戦って敗れ、追われていた蕭笑は風飄飄と衛楚に遭遇。重傷を負っていたため陳医師のもとで療養することに。飄飄はそこで、蕭笑が衛楚に抱く深い憎しみを知る。祖父の死は衛楚によるものだと、八岐門の者から聞かされていたからだった。親友のことが心配でたまらない飄飄に全国武道大会の招待状が届き、さらに陳医師からは蕭笑が姿を消したと連絡が入る。全国武道大会へ向けて、八岐門では王兆天が実権を掌握してゆき…。
第21話「直談判」
白海洋は献身的に蕭笑の看病を続けていた。衛楚に祖父・方際を殺されたと信じていた蕭笑だったが、衛楚たちに因縁の現場に連れていかれ、事件を担当した警察官から真実を聞かされる。方際は四大流派を脅す目的で、跡継ぎである衛楚らを誘拐したのだった。騙されていたとはいえ、自らの犯した過ちに愕然とする蕭笑を、白海洋は優しく慰める。一方、風飄飄は、全国武道大会への主将としての出場を衛敏に認めてもらおうと直談判に。
方際(ファン・ジー)
第22話「5人目のメンバー」
八岐門の門弟らが太極館を襲撃。目に余るようになった談臨は、薬を入れた茶を王兆天に飲ませようとするが、見破られて監禁されてしまった。王兆天もまた、蕭笑に薬を渡し、風飄飄を陥れるようそそのかすが、同じように裏をかかれて衛楚らに取り囲まれる。その夜、衛楚と風飄飄は、太極チームのメンバーに蕭笑を加えることを発表。反対する陳冰と楊凝雪に蕭笑は謝罪し、チームに入って全国武道大会に出たい理由を説明する。
第23話「全国武道大会」
衛楚は、稽古に身が入らない風飄飄にしばらく別れると言い渡し、泣いて嫌がる飄飄を無理やり家から追い出した。心配した白海洋だったが、飄飄のことを想う衛楚の意図を知り、試合まで代わりに指導すると約束する。いよいよ全国武道大会の試合が始まった。順調に初戦を勝ち上がる太極チームのメンバーたち。八岐門の選手は、勝つために手段を選ばない。八岐門を率いる王兆天は飄飄との対戦を前に、風並行に魔の手を伸ばしていた…。
最終話「夢の続き」
全国武道大会の準決勝で王兆天と対戦した風飄飄は、力及ばず敗退。だが、棄権した蕭笑の代わりとして補欠の衛楚が出場し勝ち上がる。決勝で王兆天を倒して太極学科に優勝をもたらすも、ルールに則って主将の飄飄が個人優勝者となった。監禁されていた談臨は、蕭笑たちと警察によって無事救出され、王兆天は試合直後に逮捕。のちに太極拳四大流派は門外不出の掟を廃止し、太極学科には入門者があふれるようになっていた…。