9月23日(日)東京都港区虎ノ門のJTアートホールアフィニスで、
J:COM×LaLa TV Presents LaLa TV「毎日モーツァルト」プレミアムマチネー
中村紘子トーク&コンサート“CDでは聴けない とっておきのモーツァルトのお話”
と題したイベントを開催しました。
中村紘子さんといえば世界各地で演奏会を行い、国際音楽コンクールの審査員に数多く招かれている、世界を舞台に活躍する日本の女性アーティストのパイオニアです。
一方、著書『チャイコフスキー・コンクール』が大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど、作家としても活躍されていて、その話術には定評があります。
昨年、モーツァルトの生誕250周年で日本もクラシックブームで盛り上がる中、中村さんもモーツァルトピアノソナタのCDを出されていることから、今回はLaLa TVで放送中の「毎日モーツァルト」にちなんでモーツァルトをテーマにトーク&コンサートをリクエストしたところ快く引き受けていただき、モーツァルトをテーマにした新プログラムでの公演が実現しました。
当日は、3連休の只中の日曜日、やっと猛暑から開放され、少しだけ涼しい風が吹いて秋の気配が感じられる良い日和となりました。
会場は250席ほどの室内楽専用ホール。
当日は満員の観客が大きな拍手で中村さんを迎えました。
ステージに登場した中村紘子さんは、小柄で優しい印象でありながら、やはり風格を感じさせる素敵な女性でした。
「皆様こんにちは、中村紘子です。今日は総裁選、私がこのステージに出てくる時間にちょうど開票結果がわかるというそんな時に、こうしてモーツアルトの曲を聞きにここにいらっしゃる皆様は、きっと私よりモーツァルトにお詳しいのではないかと思ったりしております。」と優しくゆったりとした語り口でお話は始まりました。
モーツァルトの生まれ故郷ザルツブルグについてや、モーツァルトの時代の楽器と現代の楽器についてのお話へと続きます。
ザルツブルグのモーツァルト国際コンクールの審査員に招かれた時のお話。
「コンクールはどうしてもテクニックが優先されてしまいますが、モーツァルトの曲というのは、ある1つの音楽天分があると、テクニックがなくてもしみじみとした感動を与えてくれるのです。小さい子供がモーツァルトを弾くとすごく感動します。大人が技術的に完璧に弾いても必ずしも感動はしないのですが。」
「モーツァルトの最初の作品で、彼が5歳の時のメヌエットとトリオというケッヘル番号1番の作品を弾いてみましょう。」
「ショパンの最初の作品、7歳の時の、ポロネーズです。ちょっと聴いて下さい。」
と、モーツァルトとショパンの最初の作品を続けて演奏。
「こちらもわずか7歳にして既に誰が聞いてもショパンと分かる個性を持っていますね。ショパンもなかなかの天才です。」
モーツァルトの様々なエピソードが続きます。
そして今日の演奏曲について。
「今日は私の好きなモーツァルトのピアノソナタを2曲演奏します。」
「1つはピアノソナタ9番。モーツァルトはピアノソナタを18曲書いていますが、そのうち2曲しかない短調の1曲。モーツァルトが22~23歳の頃、パリに居て、旅先で母を失った頃に書いた曲だといわれています。」
「もう1つは彼が28歳の時に書いた作品、トルコマーチ付きで知られている作品です。」
トルコ行進曲については
「オスマントルコの軍楽隊が大変流行ってモーツァルトもこれを作ったのですが、ベートーベンもこんな曲を作っていますね。」
など、様々なエピソードを添えてピアノソナタ9番 イ短調 K.310とピアノソナタ11番イ短調 K.331を紹介。
こうして第1部はモーツァルトに関するやわらかいトークで観客を魅了し、第2部では、第1部の最後に紹介した2曲を素晴らしい演奏で聴かせてくれました。

ピアノの上を滑る中村さんの手が今目の前でその音を奏でているということが不思議な感覚に陥るくらい、見事な演奏。
その音は力強く優しく私たちを包み込み、息をするのも忘れそうになるほど引き込まれまてしまいました。
そして、2曲の演奏を終えた時、場内は割れんばかりの拍手。
こんな感動を与える曲をたくさん残したモーツァルトは、やはりすごい人ですね。
アンコールのグラナドスのアンダルーサを終えた後もアンコールの拍手は鳴り止まず、
その後、ショパンの「幻想即興曲」やラフマニノフの「モスクワの鐘」など4曲を演奏してくれました。
終了後ロビーで、観客の皆様から「モーツァルトも良かったけれど、アンコールの力強い演奏に酔いしれた」「本当に日本が誇るピアニストだと実感した」「小ホールだったので、とても間近で演奏を聴けて感動した」「アンコールの曲目をぜひ知りたい」と言った声を多数いただきました。

私のようにクラシックは全く知らない人間でも名演奏を肌で感じると本当に感動するものですね。やはり、優れた芸術は万人に分かるものだとつくづく感じました。
そしてお話も、決して難しい解説などではなく、中村さんにとってのモーツァルトを優しく語る中で自然に音楽の面白さを感じさせてくれるとても楽しいものでした。
中村さんの音楽を愛する心が会場をいっぱいに包み込んだ贅沢な2時間でした。
こんな優れた作品を残したモーツァルトとは・・・。
LaLa TVで放送中の「毎日モーツァルト」は彼の生涯の様々なエピソードを、彼の残した書簡の朗読を交えて紹介する珠玉の音楽ドキュメンタリー。
この番組で彼の作品と人間モーツァルトの魅力に触れてみませんか。
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